現代は、核家族化、一人っ子家庭の増加により家族の形が変わりました。物質面では豊かになりましたが、育児に対しては誰にも相談できずに孤立してしまう場合が多くなり、子育てに悩む親が増えてきました。子どもにとっての豊かな社会とは、物質面よりも精神面で充実した社会なのではないでしょうか。

児童福祉法とは、1974年に制定されたこの国の子どもたちの保障についての理念と施策、実施機関を定めてある法律です。「すべての児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない」と定められ「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う」と明記されています。つまり、子どもの育成の責任は、保護者だけではなく国家レベルでも保障されているということです。

少子化が進み、子育ての環境が変化したことに合わせて児童福祉法も改正されました。それにより保育所やその他の児童福祉施設の入所の仕組みが変わりました。これまでは未熟な存在で保護の対象に過ぎなかった子どもを、一個の主体性のある存在として尊重するように意識変革が求められるようになってきました。

 

子育て支援への新たな試み

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国は1994年に少子化対策の指標「今後の子育て支援のための施策の基本的方向について」(通称「エンゼルプラン」)を発表し、子育ての社会的支援を約束しました。これをさらに発展させたものとして1999年に「重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画について」(通称「新エンゼルプラン」)が出されて、新たな目標値が示されました。それにより保育も、それまでよりも規模の拡大が可能になりました。

保育士は、子どもに対して基本的生活習慣を身に付けさせ、遊びを通して心身の健やかな発達をサポートするのが仕事です。それが2003年11月施行の「児童福祉法」改正により「専門知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行う」者とあらためて規定されました。保育士の資格は、厚生労働大臣の指定する保育士養成学校・施設を卒業すること、都道府県知事の実施する保育士試験に合格する2つの方法があります。保育士には、高い専門性と責任が求められ、それに伴い保育士は国家資格となったのです。

子どもの権利条約では、子どもを「権利を行使する主体的存在」として位置づけられています。それは1998年に、家庭、学校、その他施設において「子どものプライバシーの権利を守れ」「学校・施設・家庭における虐待、暴力、体罰、いじめを防止せよ」「障害児の教育へのアクセスと社会参加を奨励」せよというものです。これは子どもの権利を保障するための最先端の見解として尊重することが求められています。

 

保育所と幼稚園の違い

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保育所と幼稚園は、似ていますが実は違います。保育園は福祉施設で、幼稚園は教育機関なのです。ですから働くための資格と免許は違います。ですからそれらの違いをきちんと理解し、自分がどちらの道に進みたいのかをよく考えておくことが大切です。

幼稚園は「学校教育法」に基づく教育機関のひとつで、文部科学省が管轄しています。そこで働く先生は、正式には「幼稚園教諭」といいます。幼稚園教諭は、子どもたちが遊びを通して基本的な生活習慣や健全な心身、人間関係や道徳心、自然などへの興味や思考力、言葉による表現力、そして創造性をはぐくむことができるようサポートするのが役目です。

幼稚園の教育の対象となるのは3~5歳の子どもです。時間は4時間保育が原則で、夏休み、冬休み、長期休暇があります。ちなみに、幼稚園教諭の免許は、大学や短大などの養成機関で幼児教育に関する専門知識と技術を身に付けて取得します。4年制大学で取得した場合は「幼稚園教諭普通一種免許状」となり2年以上、短大や専門学校で学び取得した場合には「幼稚園教諭普通二種免許」となります。

保育所は「児童福祉法」に基づく児童福祉施設のひとつで、厚生労働省の管轄です。そこで働いている人のことを「保育士」といいます。保育所は教育機関ではなく子どもの生活の場という位置づけです。保育所は幼稚園と違って長時間子どもをあずかることもあります。8時間以上になる場合もあるでしょう。幼稚園教諭との一番の違いは、保育士のケアする対象の幅広さです。保育所なら0~6歳が対象で、その他の福祉施設では18歳までの青少年が対象になる場合もあります。したがって保育士の資格取得は、幼稚園教諭とは違った勉強が必要です。

保育所が日本ではじめて作られたのは明治時代です。1890年に新潟市の赤沢錘美が、子守をする貧困家庭の子どもも教育を受けられるよう、幼児をあずかるスペースを設け、託児所としたのがはじまりとされています。託児所が保育所として法的な地位を得たのは戦後1947年に児童福祉法が制定され、保育所で働くのには「保母」の資格が必要となったときからです。その後「保母」の名称は男性保育者(保父)の増加もあり、1997年「児童福祉法」の改正により「保育士」と変えられて現在にいたっています。

幼稚園は、1876年に東京女子師範学校附属幼稚園が創設されたのがはじまりです。しかし当時は、上流階級の子どもだけが通える場所でした。そして戦後、1947年に制定された「学校教育法」により、幼稚園は教育機関のひとつとして法的に位置づけられました。

保育士を目指す理由としてはやはり子どもが好きだからという理由が多いようです。しかし、ただそれだけではこれからの保育園は成り立たないでしょう。それは子どもの教育だけではなく、親との関係を築く力も必要です。保育士は、これからの日本を担う子どもを育てるわけですから、それらのことを意識して子どもの社会性もはぐくまなくてはいけません。それには、保育士自信もさまざまな経験を積み、人間的にもレベルアップが必要でしょう。それが子どもの自発性を大切にする保育に繋がるからです。

保育士の職場には親元で生活できない子どものための入所施設があります。夜勤や宿直があり、思春期の子どもと接したり心身の障害を持った子ども、問題行動を理解する、虐待する親のサポートなども仕事としてありますので入所施設で働く保育士は、心身のタフさが必要でしょう。

特に児童養護施設や児童自立支援施設では子どもたちと一緒に暮らすわけですから、買い物をして家庭料理を作ったり、洗濯をしたり、取れたボタンをつけたり、トイレを掃除したりといった日常生活技術も必要です。

入所施設では心身の障害、問題行動、強い個性、複雑な家庭環境など、事情のある子どものケアをすることになります。そのため、心理学的治療法についての知識、児童相談所や学校との連携、障害への理解と適切な援助、親子関係修復のための援助技術など、保育プラスαの、専門的な知識・技術が必要です。

保育士は児童福祉法で「児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行う」者とされています。その職場として代表的なものが「児童福祉施設」ですが、児童福祉施設は大きく分けて「保育所」「乳児院」「児童養護施設」「知的障害児施設」「知的障害児通園施設」「盲ろうあ児施設」「肢体不自由児施設」「重症心身障害児施設」「児童厚生施設」「母子生活支援施設」「情緒障害児短期治療施設」「児童自立支援施設」などの種類があります。

保育士を置くように児童福祉施設最低基準に定められている施設は「保育所」「児童養護施設」「知的障害児施設」「知的障害児通園施設」「盲ろうあ児施設」「肢体不自由児施設」「重症心身障害児施設」「情緒障害児短期治療施設」です。

保育所では「保育に欠ける」0歳から小学校入学前の子どもを保育します。保育に欠けるとは①昼間働いている②妊娠中または出産直後③病気、負傷している④心身に障害がある⑤同居の親族を常時介護している⑥震災、風水害、火災その他の障害復旧にあたっているなどの理由によって子どもが保育できない状態です。そして保育所では子どもの生活習慣を遊びなどから身に付けられるようにサポートします。